なくそう!望まない受動喫煙

たばこの煙と受動喫煙

たばこの煙には、喫煙者が吸う「主流煙」、喫煙者が吐き出した「呼出煙」、たばこから立ち上る「副流煙」があり、受動喫煙では呼出煙と副流煙が混ざった煙を吸わされていることになります。煙に含まれる発がん性物質などの有害成分は、主流煙より副流煙に多く含まれるものがあり、マナーという考え方だけでは解決できない健康問題です。

受動喫煙による健康影響

喫煙者が吸っている煙だけではなく、喫煙しなくても身の回りのたばこの煙を吸うことにより健康に影響があることはお分かりいただけたと思います。 受動喫煙との関連が「確実」と判定された肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)の4疾患について、超過死亡数を推定した結果によると、わが国では年間約1万5千人が受動喫煙で死亡しており健康影響は深刻です。

複数の研究結果から現在では受動喫煙による肺がんのリスクは1.28倍、虚血性心疾患のリスクは1.3倍、脳卒中のリスクは1.24倍とされています。さらに受動喫煙は子供の呼吸器疾患や中耳炎、乳幼児突然死症候群を引き起こすことが指摘されています。また妊婦やその周囲の人の喫煙によって低体重児や早産のリスクが上昇します。

三次喫煙(サードハンド・スモーク)

三次喫煙はたばこの煙そのものに曝露される受動喫煙とは異なり、たばこの火が消された後も残留する化学物質を吸入することを言います。この残留物は、喫煙者の毛髪や衣類、部屋やカーテンなどの表面に付着して残留します。これらが汚染源となり、三次喫煙が発生すると考えられています。特に部屋で過ごす時間が長い乳幼児などは三次喫煙による影響が懸念されます。三次喫煙は新しい概念であるため、研究はまだ少なく、健康影響についてもまだ明らかではありません。しかし、三次喫煙を防ぐ方法は明らかで、それは禁煙以外ないのです。

  • 一時喫煙(ファーストハンド・スモーク:能動喫煙)・・・・・・喫煙者が主流煙を吸うこと
  • 二次喫煙(セカンドハンド・スモーク:受動喫煙)・・・・・・・非喫煙者が副流煙を吸い込むこと
  • 三次喫煙(サードハンド・スモーク:残留受動喫煙)・・・・・・たばこを消した後に残留する化学物質を吸い込むこと

なくそう!望まない受動喫煙 マナーからルールへ

2020年4月、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行されました。改正法は、望まない受動喫煙の防止を図るため、特に健康影響が大きい子ども、患者の皆さんに配慮し、多くの方が利用する施設の区分に応じ、施設の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、管理者の方が講ずべき措置等について定めたものです。これにより多くの人が利用する全ての施設において、喫煙のためには各種喫煙室の設置が必要となり、望まない受動喫煙を防止するための取組みは、マナーからルールへと変わります。

なくそう!望まない受動喫煙。| 厚生労働省

https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/

e-ヘルスネット(厚生労働省・2021)|たばこの煙と受動喫煙.中村正和・平野公康

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-05-004.html

e-ヘルスネット(厚生労働省・2021)|受動喫煙 – 他人の喫煙の影響.中村正和・平野公

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-02-005.html

e-ヘルスネット(厚生労働省・2018)|三次喫煙(サードハンド・スモーク).中村正和

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-057.html

吸わないあなたも受動喫煙の影響を受けます。周囲の喫煙者に禁煙を勧めてください!


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